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道を行き交う車のナンバープレート。普段の生活では、白と緑、もしくは黄色と黒のナンバーを見かけることが多いと思います。
それ以外の色の珍しいナンバープレートを見かけると、「普通の車と何か違うのかな?」と不思議に思うこともありますよね。
そうではなくても、「黄色のナンバーって何か違うんだっけ……」「緑ってタクシーで合ってたかな?」と思うこともしばしば。

今回はそんな知っているようで知らない、車のナンバープレートの違いについて解説します。

珍しいナンバープレートについても解説しますので、是非最後まで読んでいってくださいね。
もしかしたら、ちょっとした話のタネになるかもしれませんよ?

この記事を書いたひと:PMCライター えぬ

黄色のナンバーは軽自動車!


まず、街中でよく見かけるナンバーといえば黄色のナンバーですよね。
黄色のナンバーは、排気量600cc以下の車につけられています。
軽自動車は排気量が660ccまでと定められているため、たいていこの黄色ナンバーが配布されます。

「でも、どうして黄色なの?」「ナンバーの色で区別する必要ってある?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
実は軽自動車のナンバーが黄色なのには、日本の交通事情の歴史が絡んでいます。

軽自動車のナンバーが黄色と定められたのは1975年の法改正によるものなのですが、その当時、軽自動車は高速道路料金が普通車より割安でした。
しかし、1975年にまだETCはありません(ETCの導入は2001年から)。料金所で係の人が目視で軽自動車か、普通車かを見分ける必要がありました。
人が目で見分けるなら、一目で軽自動車かどうか分かるところがあった方が良いですよね。そういうわけで、軽自動車のナンバーは普通車とは異なる黄色になったのです。

今でこそETCが当たり前になり、自動で割引が適用されるようになったので、ナンバープレートの色を変えて区別する必要性は薄れてきましたが、その頃の名残で現在も黄色のナンバープレートが発行されています。

黒地と緑地のナンバーは事業用の車!運送業・タクシーなどに使われている車です


緑地と黒地のナンバーは事業用の車ですね。
運送業のトラックや、お客さんを乗せるタクシー・高速バスなどのように、「国から認可を受けた上で、お金をもらって人・モノを運ぶ」車についています。

逆に、このナンバープレートがついていない車は、誰かからお金をもらって人・モノを運ぶことができません。
白ナンバー・黄色ナンバーのまま、配達・お客さんの送迎をしてしまうと、いわゆる「白タク」行為(無認可で運送業を行う)に当たり、法律違反(運送法違反)になってしまいます。

運送法違反の処分は「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金」ですので、罰金では済まされない場合も。
軽い気持ちで「使ってない車があるし、Amazon配達員になってお小遣い稼ぎをしようかな」と、白ナンバー・黄色ナンバーのまま配達をしてはダメですよ。

これからに「荷物の配達を自分の車でやっていきたい」「個人タクシーを開業したい」とお考えの方は、配達・送迎を行う前に必ず所管の運輸支局に届け出て、緑ナンバー・黒ナンバーを交付してもらってくださいね。

赤のラインが入ったナンバーは仮ナンバー。一時的なものです!


赤の斜線が入ったナンバーは、仮ナンバーと呼ばれる一時的なものです。

新車の納車の際や、車検が切れていてナンバーが抹消扱いになってしまった等、有効なナンバーを持っていない車が公道を走行するときに各地の市区町村から貸し出されるもので、正式なナンバーではありません。
そのため、仮ナンバーでの運転は通常のナンバープレートと異なり、様々な制約が存在します。
主な制約としては、次の3点でしょうか。

・仮ナンバーで運転できるのは貸し出し時に申請したルートのみ
・1回の申請につき、走行できるのは1回まで
(「自宅⇒修理工場」「修理工場⇒車検場」などの流れで複数回公道を走る必要がある場合は、その都度申請が必要)
・仮ナンバーで走れるのは最長で5日間まで

「仮ナンバーで運転できるのは申請したルートのみ」という制約がありますので、あまり見かける機会はないかもしれませんが……。
もしピカピカの新車に仮ナンバーがついているのを見かけたら、「これから納車なんだな~」と、心の中でそっとお祝いしてあげましょう。

 

ここまでは日常の中で見かけるナンバープレートについて解説してきましたが、いかがでしょうか?
ナンバープレートの色の違いを知っていると、車の種類が分かっていつもの道が少し楽しくなりますね。

次からは、珍しいナンバープレートについて解説します!

 

御料車(天皇陛下がお乗りになる車)はナンバーなし?実はナンバープレートついてます


天皇皇后両陛下が公的な式典でお乗りになられる黒塗りの御料車にも、ナンバープレートはついています。

「えっ?普通の車のナンバーがついているところには、菊の御紋しかついてないけど……」
そう思われる方がいても、不思議ではありません。
なぜなら、御料車のナンバープレートは金色かつ丸い形で、車の正面の右下についているからです。

【御料車のナンバーのイメージ図】

 

 

 

 

 

 

普通の車のナンバーとは、全然違いますね。
ですが、「皇」の字と、ローマ数字の組み合わせが御料車のナンバーなのです。

また、御料車は数字によって用途が違います。
Ⅰ番は天皇皇后両陛下の専用車。Ⅱ番はお葬式の際に使われる寝台車。Ⅲ番とⅤ番が天皇皇后両陛下がお乗りになられたり、国賓の方々をお迎えされる際に使われるお車です。
(Ⅳ番は欠番だそうです)

余談になりますが、実はベンツや日産の車が御料車だった時代があることを、皆さんご存じでしょうか?
現在の御料車はトヨタのセンチュリーロイヤルという超高級車ですが、過去にはベンツや日産の車が採用されていたこともありました。

ベンツが御料車だったのは1932年から1968年(戦前~戦後)ですが、そこには当時ドイツと日本の国交が他国と比べ深かったことが背景として存在しています。
御料車として選ばれる車種一つで、当時の外交の状況も浮かび上がってくるのは筆者としてはなかなか興味深いなと思うのですが、皆さんはどう思われますか?

その後はキャデラックのリムジンを経て、1967年に初の日本車メーカー発の御料車として日産のプリンスロイヤルが納入されました。
皇室専用の車として数台を作るのみでしたので、シートには西陣織が採用されるなど、とても豪華な作りだったそうです。
現在は昭和天皇記念館に所蔵されていますので、「超高級車をじっくり見てみたい!」というカーマニアの方は、一度訪れてみてはいかがでしょうか。

日産のプリンスロイヤルが役目を終えた後、次に採用されたのがトヨタのセンチュリーロイヤルです。
今の皆さんの思う「天皇陛下のお車」といえば、こちらのイメージが強いのではないでしょうか。

筆者(えぬ)も時折天皇陛下のパレードの隊列を歩道から拝見することがありましたが、遠目に見ても分かるようなフッカフカなシートで、お見かけするたびに「一体どんな乗り心地なんだろう……」と思っていました。
実際どんな乗り心地なんでしょうか。とても気になります……。

えぬは華やかなりし一族ではありませんので、一生乗る機会はなさそうですが(笑)
乗った方のインタビューがあったら読んでみたいですね。

時代が移って車種が交代しても、ロイヤルな車であることに変わりはないはず!
興味があったら、御料車の歴史についても調べてみてくださいね。

違反しても捕まらない!?青ナンバーの車は外交官の車!

青色に白の文字(または白地に青の文字)で、通常のひらがな部分に「外」「代」「領」の漢字が入っているナンバーは、外国の外交官が乗っている車につけられるものです。

ナンバー横の漢字は、乗っている外交官の役職によって違います。

「外」の字だけ:外交団(日本と国交を結びに来ている外交官全体を指す)の車です。
基本的には、普通の外交官の人が乗っていることが多いでしょう。
「外」の字に〇がついている:特命全権大公使(外交官の中で最上位の役職)の車です。
「代」の字:代表部(外交に関わる規模の大きい施設に勤めている人)の車です。
「領」の字:領事団(ビザの発行などを担当している外交官)の車です。

ナンバー横の漢字を見て、どんな役職の人が乗っているのか想像してみるのも楽しいですね。

また、青色のナンバープレートの最大の特徴は、日本の警察に捕まらない点です。
外交官には外交特権が付与されているため、外交官やその家族が派遣先の国の法律に違反しても逮捕されない(⇒駐車禁止の場所に停めていても切符を切られない、他の人の車にぶつけても賠償責任を問われない)のです。

ですので、青ナンバーの車を見かけたら、「珍しいな」と思うだけにして、一般の方は近寄らない方がいいかもしれません。

6ケタのナンバープレートは自衛隊の車!

6ケタのナンバーの車は、自衛隊が管理している車です。
自衛隊の車は、自衛隊法114条によって、「運送法の適用外となること」と「他の自動車と明らかに識別することができるような番号及び標識を付さなければならない」ことが定められています。
ですので、陸運局が管轄しているナンバー(普通車のナンバー)とは違う、6ケタのナンバーを取り付けることになっています。

また、「自衛隊の車は運送法の適用外=自賠責保険に入らなくてもOK」であることは、皆さんにもお伝えしておきたいポイントですね。
自賠責保険に入ることを義務として定めている法律が対象としているのは、「運送法の定める車両」ですので、自衛隊の車はそこから外れてしまうのです。

もし自分の車と自衛隊の車が事故を起こし、その車両に保険がかけられていなかった場合、普通の車なら受け取れたはずの最低限の保障(=自賠責保険の支払額)すら受けられない可能性があります。

参考リンク:自賠責適用除外の自衛隊車両との事故。専門病院で高次脳の認定を受け、国の低い提示額を裁判で覆した事例|交通事故の弁護士相談

日々災害救助などで尽力してくださっている自衛隊の方々には申し訳ありませんが、6ケタのナンバープレートを見かけた際には、皆さん気を付けて運転した方が良さそうです。

まとめ

今回は普段の生活で見かける車のナンバープレートから、珍しい車のナンバープレートまでまとめて解説しましたが、いかがでしょうか?
「行燈がついてないけど、緑ナンバーだからタクシーなのかな?」など、色の違いについて知っているだけで車を見る目線が変わってくるかもしれません。
そばを通るときはちょっぴり気をつけなければならないナンバーの車のことも、念のため覚えておいてくださいね。

それでは、次回の記事でまたお会いしましょう!